キミの風を感じて
うそだろ?
泣かした……。
パタパタと上履きの音が遠ざかっていく。
窓の外を眺めながら、俺はなすすべもなくフリーズしていた。
話している途中から、立木さんが涙ぐんでいるのはわかってたんだ。
ヤバい、と思ったけどフォローできるような言葉は出て来ない。
つーか、とどめを刺したのはきっと俺だ。
なんであんな言い方しかできないんだか……。
俺が言葉を発するたびに、見開かれた大きな目の中に涙がうるうると溜まってきて
ハッ、と思ったときには、ガラス玉みたいな涙のつぶが音もなくこぼれ落ちていた。
そうなるともう彼女の顔を直視できなくて、なんにも言えなくなった。
バカか、俺。