キミの風を感じて


そうして――


体育祭が終わり通常のリズムを取り戻した日々の中で、加島くんは生き生きと、とても輝いて見えた。




充実してるっていうのは、まさにこういうことなんだと思う。


朝練に始まり、授業が終わると暗くなるまでグランドを走る。


最近はかなりハードなメニューに取り組んでいるらしく、休みの日もひとり残って遅くまで練習しているようだった。


だけど教室で見る加島くんは全然疲れてはいなくて、むしろ顔つきが明るくなった気さえする。


相変わらず口数は少ないし、はしゃいだりなんかはしないんだけどね。





あれからもう1ヶ月近く経つけど、加島くんとわたしがつきあい始めたってことは、まだみんなには知られていない。


ユメちゃんにだけこっそり打ち明けてあるぐらいだった。


< 231 / 375 >

この作品をシェア

pagetop