キミの風を感じて
ワクワクとわたしが言うと、ユメちゃんが笑った。
「だからさ紗百、それ加島くんと行きなよ」
「え」
「誘っちゃえば?」
「あ、そっか、うん……」
「加島くんだってきっと楽しいって」
「そ、そうかな」
「そーだよ」
「だよね、たまには発散しなきゃだよね。じゃあ……そーしちゃう?」
わぁ、加島くんとライブだなんて、すごく楽しみだ……!
それなら夜だし、大丈夫だよね。
帰り際、校門のところで取材記者っぽい人が警備のおじさんとモメていた。
「いや、だから顧問の先生から聞いていない方はお通しできません」
なんて断られている。
「ガード硬くなったよね、うちの学校」
ユメちゃんがそうつぶやいた。