キミの風を感じて
なのにその場の女子たちはみんな顔に苦笑いを浮かべた。
「もう! 加島さんってばウソばっかり」
「わかってるんですよ。わたしたちちゃんと調べはついてるんですから」
は?
「加島さんには彼女はいません!」
堂々と言い切られる。
「いや、つきあってる子がいるから」
「いません! わたしたちがじゃまだからそういうこと言うんでしょ? だまされませんよ」
「そーじゃなくて、どっちにしろこんなふうに練習見学してもらったって何も応えられないし、悪いけど……迷惑なんだ」
まともにそう言ってみた。
一度はっきり言わなきゃな。
「ヤダ! 静かに見るからそんなこと言わないで。わたしたちは純粋に加島さんが走っているところを見ていたいだけなんです~」
あー、めんどくさ……。