キミの風を感じて
「うん。事故とか心配だから、こっちからはあんまり言わないけど、自分で勝手に来ちゃうの。『会いたかったから来ちまったぞ~』って」
「へぇー、いいなぁ」
「でしょ? 紗百もガマンしてないで思ってること言ったほうがいいよ。
加島くんってば自分は告った側だから、紗百のほうも自分のこと好きだなんて知らないんじゃない?」
うーむ……。そ、そうかな?
そういえばそんな気持ちを、詳しく打ち明けあったりしてないや。
「今日は逆告白しちゃえば? 加島くんのこと大好きだよって。ジャマしないように良い子にしてるから、会えるときは誘ってねって」
うー……。
「ユメちゃんみたいに可愛く言えないもん。めんどくさいって思われたらヤダし……」
ボソッとつぶやく。
「思わないって。やつはきっと喜ぶ!」
そうかな、そうだったらうれしいな。
照れくさそうな笑顔が浮かんだ。