キミの風を感じて

「うん。事故とか心配だから、こっちからはあんまり言わないけど、自分で勝手に来ちゃうの。『会いたかったから来ちまったぞ~』って」


「へぇー、いいなぁ」


「でしょ? 紗百もガマンしてないで思ってること言ったほうがいいよ。

加島くんってば自分は告った側だから、紗百のほうも自分のこと好きだなんて知らないんじゃない?」


うーむ……。そ、そうかな?
そういえばそんな気持ちを、詳しく打ち明けあったりしてないや。




「今日は逆告白しちゃえば? 加島くんのこと大好きだよって。ジャマしないように良い子にしてるから、会えるときは誘ってねって」


うー……。


「ユメちゃんみたいに可愛く言えないもん。めんどくさいって思われたらヤダし……」


ボソッとつぶやく。


「思わないって。やつはきっと喜ぶ!」




そうかな、そうだったらうれしいな。


照れくさそうな笑顔が浮かんだ。


< 275 / 375 >

この作品をシェア

pagetop