キミの風を感じて

クラスの子たちから祝福されたり冷やかされたり、そういうのに憧れてた。


となりには照れくさそうに笑う加島くんがいて……そんなシーンを想像したりしてた。




「いやがらせが心配だから思わずそう言ったって、説明したよな」


加島くんは目をそらさずに話を続ける。




「でもわたしは……、加島くんは騒がれたりするの迷惑なのかと思ったから、陸上がんばってんのに足を引っぱりたくなかったから……、だからみんなには黙ってたの。


ホントは話したかったけどガマンしてたんだよ? それなのに加島くんにそんなこと言われたら、悲しい」




なんだかムキになってそう言った。




加島くんはそんなわたしをやっぱりジッと見ていて……


「逆ギレ?」


とポツンと訊いた。




「ひどい。そんな言い方……」


「…………」


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