キミの風を感じて
「う、うそでしょ、これ? どーゆーこと?」
となりの席の親友、ユメちゃんこと夢崎彩花をすがるように振り返る。
わなわなと震える手にはオレンジ色の小冊子。
2週間後に行われるうちの高校の体育祭用プログラムだ。
たった今配られたばっかのやつ。
「どーした、スモモ?」
尋常じゃないわたしの様子に、ユメちゃんが驚いてこっちを見た。
「これこれこれこれこれ!」
開いたページの一ヶ所をグイグイ指さして口をパクパクとさせる。
「どれどれどれどれどれ?」
身を乗り出してわたしの指がさす先を確認したユメちゃんが、次の瞬間、軽くのけぞった。
「うわ、何これ? どーゆーこと?」
「だからそれをわたしが訊いてる……!」