キミの風を感じて
「何あれ?」
「バッカじゃね?」
教室に残っていたクラスメイトたちが、鈴木をバカにしてクスクス笑っている。
いや、被害に遇った俺を気づかってくれているのか?
だいたい体育委員だからって、なんでこんなクレームを受けつけなきゃなんないんだ?
何を食ったらあんなに熱く攻撃的になれるのか、わかってんなら教えてほしい。
だけど……。
あいつの言ったことは別に間違いではなかった。
陸部の先輩だって顧問だって、あそこまではっきりとは言わないけどさ。
内心みんなそう思ってんじゃないかと思うんだ。
ていうか、自分が一番思ってる。
あのタイムはただのマグレだったって――。
“100のプリンス”なんて称号、正直俺には重すぎる。