キミの風を感じて

もしもそれでも、わたしたちが仲直りをして、つきあい続けることができたとしたら……。


それは――


加島くんが『ムリ』を続けていくということだ。
夢の妨げになるのを承知でつきあうということだ。


そんなんでわたしは……ちゃんとやっていけるの?




彼が陸上一筋に打ち込めるように、どんなふうにつきあえばいいの?

これ以上何をガマンすればいいの?

そんなこと、わたしにできるの?

できなかったら、彼はどうなっちゃうの……?




ずっとずっと考えて
いっぱいいっぱい悩んで、

加島くんに返信した。




一番守りたいものを、
どうしても守りたかったから。




走る加島くんの景色を壊したくないよ。




一番最後まで残った気持ちは、


たったひとつ、そのことだけだった……。



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