キミの風を感じて
新学期――
久し振りに彼に会えるということに、やたら緊張していた。
朝教室に着くと加島くんはまだ来ていなくて、わたしは隣の席のユメちゃんと話しながら、入り口のほうばかりが気になって仕方なかった。
あ。
少し髪を切ったのかな?
ちょっと短髪になった彼が教室に入ってきた。
気持ちが吸い寄せられているのに、それをごまかすようにユメちゃんと話を続けている。
しばらくして、ふと顔をあげると、思いっきり目が合った。
わ。
思わずサッとそらす。
だってどんな顔をしたらいいのかわからない。
加島くんの黒い真っ直ぐな目は、全然変わっていなかった。
心臓がドキドキしている……。
ダメだな、わたし。
冬休みの間にある程度、自分の気持ちにケリをつけたつもりでいたのに。
これじゃあ……むしろ以前よりももっと想いが募っているみたいだった。