キミの風を感じて
そうしてユメちゃんは首をかしげてわたしの顔をのぞき込んだ。
「加島くんだってそうなんじゃない? あのときはケンカになって逆上してあんな言葉がでちゃったけど、あれが本心なのかな?
加島くんもいつも紗百に元気をもらってたと思うよ。励まされてたと思うよ。『好きだ』って言われたんでしょ?
だいたい女の子とつきあったぐらいでタイムがグダグダになるような人だったら、ハナからあんな記録つくれるわけないもん」
「う……ん」
「とにかくもう一度ちゃんと話し合うべきだよ。2人のことは2人で決めなくちゃ」
「うん……」
ユメちゃんはそう言ってわたしの腕をキュッとつかんだ。