キミの風を感じて
だけど、その反面
わたしががんばっていたことなんて、
ちっぽけで、
独りよがりで
何の役にも立たなくて。
しかもそれすらやり通すことも出来なくて……。
自分の無力さがバカみたいに思えて情けなかった。
突然二人っきりになった小さな部屋――。
「い、いい先生だね」
場つなぎに言った声が妙に上ずっている。
「うん」
そううなずいた加島くんは、先生が出て行った入口のサッシをガラリと閉めた。
そうしてカチッと鍵を下ろす。
ヒェ……。
「誰にもジャマされずゆっくり話したいから、閉めるよ」
「は、はい」
それだけでドキドキする。