キミの風を感じて

プログラムは進行表の役割も果たしているらしく、開いたページには種目ごとに出場者の氏名がずらりと並んでいた。


コースや走順まできっちりとご丁寧に。




わたしが指した場所には『クラス対抗リレー』のメンバー表があり、その第7走者の欄に『立木紗百』という名前がしっかりくっきり印刷されてあった。




立木紗百(タチキ スモモ)――

そう、これがわたしの名前。




「うわ、これ一番熱いやつだ」


ユメちゃんがつぶやいた。


「そーだよ、あり得ないんだから」




毎年11月中旬に開催されるうちの学校の体育祭は、クラス対抗で競い合う。


競走や競技の着順を得点化して集計するわけだけど、特に得点の高いのがリレーで、どのクラスも気合いを入れてそのメンバーを組むんだ。


男子の800mリレー、女子の400mリレー、そして男女8人が100mずつをバトンでつなぐこのクラス対抗リレー、ね。


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