キミの風を感じて
いつのまにか他2人の女子のリレーメンバーもやってきて、若干囲まれる感じになっていた。
後方にはユメちゃんが心配そうに控えていてくれる。
「ゴメン! わたし遅いよ」
ペコンと頭を下げてそう言った。
「このままだとみんなの足をひっぱちゃいそうなんだけど、代わってくれる人がいなくって……」
早口で一気にそんな説明をしたら、ポンと肩を叩かれた。
「心配すんなって。うちら別に優勝とか狙ってないからさ」
「え?」
「熱くてウザいのは鈴木ぐらいだよ」
声をひそめてウィンクをする。
「そうそう。せっかくなんだし楽しくやろう!」
他の子たちも笑ってくれた。
「鈴木に何かイヤなこと言われたら、うちらに言いなよ。とっちめてやるから」
口々にそんなことまで言ってくれる。