キミの風を感じて
「あの……作戦って?」
「うん! まずは1走から6走までが死ぬ気で他チームとの差を開けて、独走態勢に持っていく」
フムフム。
「そのまま7走の立木さんにバトンをつないで、もしも立木さんが差をつめられたり、何人かに抜かれたとしても、あとはアンカーの加島に抜き返してもらおうってわけよ」
うー……。
そ、それは作戦と言えるのか?
ただの希望的観測では?
やっぱわたし、かなりのお荷物だ。
「そ……んなにうまくいくかな?」
恐る恐る訊いてみる。
「まぁうちらはともかく、加島はなんたって“100のプリンス”なんだからさ、きっと何とかしてくれるって」
なんて本荘さんはまた笑った。