キミの風を感じて
「加島はホントは800mリレーに出るはずだったんだけど、こっちに変わってくれたんだ。立木さんにお願いした分、自分がフォローするつもりなんじゃない?」
「へぇ……」
他の子も横からこんなことを教えてくれた。
「わたし去年も加島くんと同じクラスだったけど、どんなに頼んでもクラス対抗のアンカ―なんて引き受けてくれなかったよ。そーゆーのガラじゃないからヤだって。
だから今回はかなり特別なことだと思う、彼的にはさ」
ふーむ。
一応責任は感じてくれてるのか?
やつあたりして悪かったかな……?
心が揺れかけたところで頭によみがえる。
ムスッと不機嫌そうな顔。
言いわけを許さない理屈っぽいあの口調。
う~、やっぱ好きじゃない!