キミの風を感じて
ヒマだし5mくらい離れた場所で、わたしもストレッチを始めてみた。
加島くんがやってるのを見よう見真似で体を伸ばす。
うーん、これ、気持ちいいなぁ……!
加島くんは足首を回して、手首をブラブラと振って、それからその場でピョンピョンとジャンプしだした。
ピョンピョン……!
わたしも跳ぶ。
彼の斜め後方で勝手にタイミングを合わせて跳んでると、気配を感じたのか、ピョンピョン跳びながら加島くんが振り向いた。
「うわっ」
「あ、おはよ」
わたしたちは跳ねながらあいさつを交わす。
「ビックリするだろ、急にいるから」
着地してからムスッと、加島くんが言った。
声を出して驚いてしまったのが恥ずかしいんだよ、きっと。