キミの風を感じて
わわ……。
男子に足なんかさわられるのは初めてだから、ちょっとビックリしちゃう。
だけど加島くんにはその手の感情はないらしく、もうわたしの足元にしゃがみ込んで、無遠慮に人の足を靴ごとむんずとつかんでいた。
そうしてわたしの足首をクイクイ動かしながら、着地のことやなんかを熱心に解説してくれている。
そんな加島くんの顔を見おろしながら、ちょっと納得したことがあった。
フムフム。
いつも無愛想だからわからなかったけど、プリンスと呼ばれるのは足が速いからだけじゃなく、顔だ。
結構美形だよなぁ~なんて思って眺めていた。
今さらだけどあのテレビ番組の担当者がサブタイトルを『100のプリンスたち』としたのに共感したりする。
一緒に取り上げられていた他の子たちもなかなかのイケメンだったもん。
でも、加島くんが一番きれいな顔をしてると思った。態度は最悪だったけど……。