キミの風を感じて
ん? いや、いたいた。
なぜか地面にうずくまっている。
「どうしたの?」
心配になって駆け寄ると、加島くんの肩が小刻みに震えていた。
「クックックックッ……」
は?
「わ、笑ってんの?」
「だって立木さん、すっげー走り方するから……」
そう言ったとたん、こらえきれなくなったのか、ブハハッて加島くんが笑い転げた。
「えっ、わたし?」
「ふわーんふわーんって月面を歩いてる人みたいだった」
そう言いながらゲラゲラ笑っちゃってる。
ム……。
「か、加島くんがゆっくりでいいって言うから」
「言ったけど、まさかあんなにゆっくり走ると思わねーし」
もう笑いは止まらない。