キミの風を感じて
「しかもそんなんで100mも走りきったんだぜ、ウソみてー。アッハハハ……」
「…………」
何よ、、さっきまでずっとムスッとしてたくせに。
「そんなにおかしい?」
ボソッと低くつぶやいた。
「あ。……ゴメン」
怒りを押し殺したその口調にハッとしたのか、彼はやっと立ちあがる。
フンだ。
「教わったことを考えながら真面目に走っただけだもん。笑いすぎだよ」
一生懸命がんばったのに爆笑されて、くやしくって恥ずかしくって涙が出そうになった。
「えっ、泣かないよな?」
「な、泣いてないし! こんなぐらいで泣くわけないじゃない」
思わず大声を出したけど、興奮すればするほど涙がじわっと浮かんでくる。
それをあ然と見つめる目。
きっとバカにしてる。