キミの風を感じて
そうなんだ。
恥ずかしい思いをするのは自分なんだ。
一緒に恥をかいてくれるわけでもないやつらに、なんで気をつかう必要がある?
ぶざまに走って恥をかけばいい。
だけどそんなことを恥だとは、もう俺は思わない。
今まで押しつぶされそうだった心が、スーッと解き放たれていった。
そして――
ゴールしたあとの立木さんの上気した笑顔。
あれはもう超絶的かつ衝撃的に輝いて見えた。
すげーすがすがしくて、すっげー可愛かった。
そうしてその翌日から俺はまた部活に出て走り出したんだ。
逃げてたって、しゃーねーしさ。