キミの風を感じて

1年経った今だって焦らないわけではないし


いつも前向きにいられるわけでもない。


レースに取り残されて、うまく走れない夢ならしょっちゅう見る。


だけど、あの日から俺はずいぶん変わったと思ってる。記録会でのタイムはさほどでもないけれど。






教室に戻るとその張本人の立木さんは、となりの席の子とクルクルと楽しそうに笑っていた。


さっきの怒っていた顔とはえらい違いだ。


キュッと口を結んでにらみつけた大きな目。




立木さん、明日朝練来るかなぁ……?


< 75 / 375 >

この作品をシェア

pagetop