キミの風を感じて
1年経った今だって焦らないわけではないし
いつも前向きにいられるわけでもない。
レースに取り残されて、うまく走れない夢ならしょっちゅう見る。
だけど、あの日から俺はずいぶん変わったと思ってる。記録会でのタイムはさほどでもないけれど。
教室に戻るとその張本人の立木さんは、となりの席の子とクルクルと楽しそうに笑っていた。
さっきの怒っていた顔とはえらい違いだ。
キュッと口を結んでにらみつけた大きな目。
立木さん、明日朝練来るかなぁ……?