キミの風を感じて
そうして、わたしたちの朝練の日々は続く――。
「加島くん、自分の練習しなくていいの?」
ある日の練習終わりに、気になっていたことを訊いてみた。
「ああ、別に」
いつもながら、そっけない。
「でも、毎朝トレーニングしてたんでしょ?」
「朝は元々ハードな練習はしないし、立木さんと一緒に走ってるから、それでいいんだ」
「ゴメンね。わたしをなんとかしないとゴリリン先輩に怒られちゃうから?」
いつだったか休み時間に教室で、2人が言い争ってるのを見た。
てゆーか加島くんが一方的に怒鳴られてたんだ。
『優勝できなかったらお前のせいだからな』って。
優勝できなかったら……ホントは、わたしのせいだもん。
「は? ゴリリン……先輩?」
加島くんが怪訝そうな顔をする。
「あー、鈴木くんだよ、バスケの」
ユメちゃんと2人のときの呼び方が出ちゃった。