災厄の魔女
終わった。
何もかもが終わった。
もう頼れるものなど無い。
此処に俺の味方は誰一人居ないのだ。
味方どころか、助けをだしてくれる友だ……
否、これ以上は言わないでおこう。
只悲しくなるだけだから…
全てを諦めた遙翔は溜め息を吐き顔を伏せる。
Good-bye平凡な日々。
Good-bye何気ない日常。
Good-bye俺の幸せ。
「こんなにも祝福されて君は幸せだな遙翔くん!この盛大な拍手が名残惜しいだろうが、早速ギルドに向かうとしよう!」
相変わらずハイテンションな要は遙翔の肩に腕を回しニッと笑う。
それに返すように苦笑いを浮かべ、内心何が祝福だと毒を吐く。
「さぁ、目障りな低級ギルドはとっとと退散するとしよう。上の目がこんななってるからさ」
目尻に指を添え吊り上げさせてみせる要。
その顔にリッカはケタケタと笑いだす。
馬鹿にしたような態度に苛立ちを覚えたのだろう。
魔法で創られた銃弾が猛スピードでステージまで飛んで来て、彼の足元に深々とめり込んだ。