災厄の魔女

用件を思い出した要は2人に遙翔の紹介をする。
それも短く凄く簡単で簡潔に。

まぁ、会ったばかりで名前以外特に知る事も無いだろうから仕方ないが。




 「紹介するよ遙翔くん。彼は我がギルドのメンバー南岸 匠(ミナギシ ショウ)。愛称はタクミだ」


 「よろしく。えっと、ハルでいいのかな」


爽やかに微笑む、藍色の髪をした男タクミ。

ナチュラルなパーマヘアの似合う彼はいわゆるイケメンだ。




 「で、これが――」


 「はぁ!?これだぁ!?」


気だるそうに指を差し言う要の言葉に腹を立てた女は彼の頬を抓ろうと手を伸ばす。


しかし要はその手を払い抵抗。


女はヤケになり要に何度も手を伸ばした。




 「彼女は遠山 真梨(トオヤマ マリ)。今は酔っ払ってこんな感じだけど、普段はしっかりしてるから…多分……」


ん?今語尾が可笑しくなかったか?
小さくではあったが聞こえたぞ。
多分とか何とか、曖昧な言葉を言ったよな。


親切に女性の紹介をしてくれたタクミは苦笑いを浮かべながら頬をかく。



短めの橙色の髪を無造作にはねさせた彼女の愛称はシンリ。

昼間から酒を飲み酔いつぶれる彼女を関心する事はできないが、悪い人では無さそうだ。

まぁ、絡んでこられるのは避けたい所だが。







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