災厄の魔女
「其処に座ってる彼女は夜風 凜華(ヤカゼ リンカ)。物凄く頭のきれる天才少女」
グタッと机の上に身を投げる金髪の少女リッカ。
澄んだ青い瞳を向けるパソコンの画面上にはびっしりと、見るだけで頭が痛くなりそうな難しい英数字がずらりと並んでいた。
「そして彼が稲葉 要(イナバ カナメ)。既に知ってるとは思うけど、このギルドのトップで有力者。何考えてるかわからないふざけた感じの彼だけど、ああ見えて結構良い人だから」
「そんな、良い人だなんて照れるじゃないかぁ」
ダークブラウンの髪をウルフカットにした彼は此処のギルド長。
つかみどころの無い性格の彼だが、こう見えて結構頼りにされているらしい。
「あともう1人メンバーが居るんだけど、丁度今遠くに出てるんだ。戻って来たらまたその時に紹介するよ」
要に変わりメンバーの紹介をしてくれたタクミ。
一癖二癖ありそうなメンバーばかりだと、礼を言う遙翔ことハルは独り心の中で思うのだった。