闇夜に真紅の薔薇の咲く
ルイやノアールにも聞こうと思ったけれど、何となく憚られて彼らには見せずにいたのだが。
話しを終えて、何の反応も示さないルイに少し脅えながらそろりと彼を隠れ見る。
彼は難しい表情をして軽く握った手を口元にあてて地面を凝視し、不意に顔をあげた。
「ねぇ、そのカード。今手元にある?」
「え? う、うん……」
正体も分からぬまま、捨てるにも捨てきれず鞄の中にしまったままだ。
初めて見るルイのその表情に戸惑いながらも、ぎこちなく頷いて鞄の中からカードを取り出す。
それをルイが見た瞬間、彼は目を見開いた。
「それ――……!」
大声と共に、彼は勢いよく机に手をついて立ち上がる。
突然のことに呆気に取られている皆に構わず、ルイはその表情に僅かな焦りを滲ませると教卓の前で呆然とこちらを見つめている麻生を見やった。
「先生! ちょっと、朔夜ちゃん気分悪いみたいなんで保健室連れて行きます!」
「あ、あぁ。そうなのか。行ってこい」
「えぇ!? ちょっ……」
麻生の許可が出るや否やに強引に彼女の手首をつかせて立たせると、足早に教室をあとにする。
話しを終えて、何の反応も示さないルイに少し脅えながらそろりと彼を隠れ見る。
彼は難しい表情をして軽く握った手を口元にあてて地面を凝視し、不意に顔をあげた。
「ねぇ、そのカード。今手元にある?」
「え? う、うん……」
正体も分からぬまま、捨てるにも捨てきれず鞄の中にしまったままだ。
初めて見るルイのその表情に戸惑いながらも、ぎこちなく頷いて鞄の中からカードを取り出す。
それをルイが見た瞬間、彼は目を見開いた。
「それ――……!」
大声と共に、彼は勢いよく机に手をついて立ち上がる。
突然のことに呆気に取られている皆に構わず、ルイはその表情に僅かな焦りを滲ませると教卓の前で呆然とこちらを見つめている麻生を見やった。
「先生! ちょっと、朔夜ちゃん気分悪いみたいなんで保健室連れて行きます!」
「あ、あぁ。そうなのか。行ってこい」
「えぇ!? ちょっ……」
麻生の許可が出るや否やに強引に彼女の手首をつかせて立たせると、足早に教室をあとにする。