闇夜に真紅の薔薇の咲く
いつもは薄い笑みを浮かべている彼。その笑みは、あった当初から何となく偽りのものだと言うことは予感していた。
きっと今の表情が、ルイの素顔なのだろう。
朔夜はすっとルイから視線をそらすと、何気なくノアールの手にあるカードに視線を落とす。
頭の中に響くのは、先ほどの彼らの会話。
(アイツらって、誰……?)
昔の魔界の王家の紋章が描かれたカードが自分の机の上に乗っていたことが、何かの開始の合図だと言うことは分かったけれど、ではその“何か”とは何なのか。
そして一番気になるのは、やっぱり彼らが語る“アイツら”。
これをきいて、朔夜の頭の中に浮かんできた人物は二人の手にかかり消えて言った二人の男女だった。
この世の者とは思えない、生気を無くした肌の色。
今でも鮮明に思い出すことができる。身体が自由にならなかった時の恐怖。
“アイツら”とは彼らの仲間なのだろうか。
口元に軽く握った手をあてて考え込んでいた朔夜は、気づけば地面を見つめていた。
ぱちんっという言う軽快な音が室内に響き渡り、我に返った彼女が顔をあげるとそこには予想外の行動をしていた二人がおり、朔夜は思わず一歩身をひく。
きっと今の表情が、ルイの素顔なのだろう。
朔夜はすっとルイから視線をそらすと、何気なくノアールの手にあるカードに視線を落とす。
頭の中に響くのは、先ほどの彼らの会話。
(アイツらって、誰……?)
昔の魔界の王家の紋章が描かれたカードが自分の机の上に乗っていたことが、何かの開始の合図だと言うことは分かったけれど、ではその“何か”とは何なのか。
そして一番気になるのは、やっぱり彼らが語る“アイツら”。
これをきいて、朔夜の頭の中に浮かんできた人物は二人の手にかかり消えて言った二人の男女だった。
この世の者とは思えない、生気を無くした肌の色。
今でも鮮明に思い出すことができる。身体が自由にならなかった時の恐怖。
“アイツら”とは彼らの仲間なのだろうか。
口元に軽く握った手をあてて考え込んでいた朔夜は、気づけば地面を見つめていた。
ぱちんっという言う軽快な音が室内に響き渡り、我に返った彼女が顔をあげるとそこには予想外の行動をしていた二人がおり、朔夜は思わず一歩身をひく。