闇夜に真紅の薔薇の咲く
気まずげに鞭を摘まみあげ、おもむろに宙に放り投げると落下してくる最中に鞭が粒子となって霧散する。
すっかり態勢のついてしまった朔夜は、そんな些細な異常現象をごく当然かのように見つめてノアールを見上げた。
彼の表情は真剣そのものだ。
「このカードが俺たちの元に届いたと言うことは、アイツらがお前を求めて本格的に動きだす」
「アイツらって、誰なの?」
先ほどから気になっていた疑問を口にすると、ノアールは静かに瞳を閉じる。
瞼を開き、真っ直ぐに朔夜を見つめるその視線はどこか戸惑うように揺れていた。
それを少し不思議に思いながら、朔夜はノアールを見つめる。
「……お前、俺たちに初めて会った夜のこと……覚えてるか?」
「もちろん」
忘れるはずがない。
あんな異常現象と恐怖の数々は。
即答した彼女を見て「そうか」と呟き、彼は僅かに視線をそらす。
「アイツらって言うのはな、お前を魔界に連れ帰ろうとした復讐者だ」
自分の想像が間違っていなかったことに気づき、朔夜は静かに目を伏せる。
やはり、彼らのことだった。
すっかり態勢のついてしまった朔夜は、そんな些細な異常現象をごく当然かのように見つめてノアールを見上げた。
彼の表情は真剣そのものだ。
「このカードが俺たちの元に届いたと言うことは、アイツらがお前を求めて本格的に動きだす」
「アイツらって、誰なの?」
先ほどから気になっていた疑問を口にすると、ノアールは静かに瞳を閉じる。
瞼を開き、真っ直ぐに朔夜を見つめるその視線はどこか戸惑うように揺れていた。
それを少し不思議に思いながら、朔夜はノアールを見つめる。
「……お前、俺たちに初めて会った夜のこと……覚えてるか?」
「もちろん」
忘れるはずがない。
あんな異常現象と恐怖の数々は。
即答した彼女を見て「そうか」と呟き、彼は僅かに視線をそらす。
「アイツらって言うのはな、お前を魔界に連れ帰ろうとした復讐者だ」
自分の想像が間違っていなかったことに気づき、朔夜は静かに目を伏せる。
やはり、彼らのことだった。