闇夜に真紅の薔薇の咲く
淡い青の瞳と視線が合い、次に紡ぐべく言葉が見つからずに戸惑い視線を宙に彷徨わせた。
声をかけたのはほぼ無意識と言ってもいい。
次の会話の内容など、当然考えてなどいるわけも無くどんな話をしようかと、頭をこれ以上ないほどに働かせて考える。
が、こういう時に限って何も思い浮かばず、出来の悪い自分の頭を呪いたくなった。
どこか冷たく光るノアールの瞳が、「ようがあるなら早く言え」と言わんばかりの色を宿してこちらをじっと見つめる。
始めこそ気にしていない素振りを見せていた朔夜も、時間がたつにつれ全身から嫌な汗が吹き出し、額ににじむ汗を洋服の袖口で拭うと、とりあえず曖昧な笑みを浮かべた。
「えっと……ごめんなさい。呼んでみただけです」
「……」
ノアールは無言で朔夜から視線をそらすと黙々と箸を進め、夜空に何か話しかけられると途端に笑みを作って王子様然とした雰囲気を纏う。
そのあまりの早技に驚きつつ、朔夜は胸をなでおろした。
知らず安堵の息をつき、食事を再開したのだった。
声をかけたのはほぼ無意識と言ってもいい。
次の会話の内容など、当然考えてなどいるわけも無くどんな話をしようかと、頭をこれ以上ないほどに働かせて考える。
が、こういう時に限って何も思い浮かばず、出来の悪い自分の頭を呪いたくなった。
どこか冷たく光るノアールの瞳が、「ようがあるなら早く言え」と言わんばかりの色を宿してこちらをじっと見つめる。
始めこそ気にしていない素振りを見せていた朔夜も、時間がたつにつれ全身から嫌な汗が吹き出し、額ににじむ汗を洋服の袖口で拭うと、とりあえず曖昧な笑みを浮かべた。
「えっと……ごめんなさい。呼んでみただけです」
「……」
ノアールは無言で朔夜から視線をそらすと黙々と箸を進め、夜空に何か話しかけられると途端に笑みを作って王子様然とした雰囲気を纏う。
そのあまりの早技に驚きつつ、朔夜は胸をなでおろした。
知らず安堵の息をつき、食事を再開したのだった。