闇夜に真紅の薔薇の咲く
「悪い……」
「……? いえ、大丈夫ですよ」
ばつの悪そうに顔をしかめて視線をそらし、彼は荒々しくため息をつくと髪をかきあげる。
その仕草が何とも艶めいていて凝視していると、ノアールはちらりと朔夜を一瞥した。
「何?」
「あ、や、別にっ! 何でもないです!!」
彼女は手と頭を勢いよく振ると、ノアールは「そう」とだけ返すと興味が失せたと言わんばかりに顔をそむける。
問いただされるとは思っていなかったが、もしものことを考えていた朔夜はその行動にほっと胸をなでおろすと、いつも通りの笑みを浮かべたルイがにこやかに言葉を紡ぐ。
「うん。朔夜ちゃんが泣きやんで何よりなんだけどね、何気甘い空気醸し出すのやめようか。……妬いちゃうよ?」
「ごめんなさ……って、えぇ?」
甘い空気とやらがどこに漂っているかは分からないが、とりあえず謝ろうと素直に謝罪の言葉を口にした彼女は最後に呟かれた言葉に目をむいた。
悪戯っぽく微笑んでいたルイは、朔夜の表情がよっぽど面白かったのか口元に指をあててくすくすと笑みをこぼす。
「ごめんっ。冗談」
「……だろうと思いましたよ」
「……? いえ、大丈夫ですよ」
ばつの悪そうに顔をしかめて視線をそらし、彼は荒々しくため息をつくと髪をかきあげる。
その仕草が何とも艶めいていて凝視していると、ノアールはちらりと朔夜を一瞥した。
「何?」
「あ、や、別にっ! 何でもないです!!」
彼女は手と頭を勢いよく振ると、ノアールは「そう」とだけ返すと興味が失せたと言わんばかりに顔をそむける。
問いただされるとは思っていなかったが、もしものことを考えていた朔夜はその行動にほっと胸をなでおろすと、いつも通りの笑みを浮かべたルイがにこやかに言葉を紡ぐ。
「うん。朔夜ちゃんが泣きやんで何よりなんだけどね、何気甘い空気醸し出すのやめようか。……妬いちゃうよ?」
「ごめんなさ……って、えぇ?」
甘い空気とやらがどこに漂っているかは分からないが、とりあえず謝ろうと素直に謝罪の言葉を口にした彼女は最後に呟かれた言葉に目をむいた。
悪戯っぽく微笑んでいたルイは、朔夜の表情がよっぽど面白かったのか口元に指をあててくすくすと笑みをこぼす。
「ごめんっ。冗談」
「……だろうと思いましたよ」