闇夜に真紅の薔薇の咲く
朔夜と夜空が通う高校は、私立霞高等学校。
この辺ではとても大きな高校で、小中高とエスカレーター式になっている。
家から徒歩十五分の距離にある高校に向かいながら、先ほどからひしひしと感じる視線に息苦しさを感じて朔夜は表情を渋くした。
先ほどから突き刺さる視線は間違いなく霞高の女子生徒の視線。
恐らく、隣に夜空がいることが原因だろう。
兄妹なのだから一緒に登校するのは致し方ないことなのだが、女子生徒の方々はどうやらそれが不満のようで……。
入学して以来、ずっと女子からの針のような視線を受け続けている。
ちらりと隣の夜空を見上げると、彼は通り過ぎる度に挨拶をする生徒たちに挨拶を返していて、自分に向けられる女子たちの視線には全く気付いていないことを物語っていた。
ぐさぐさと突き刺さる女子たちの視線に耐えていると、
「朔夜ああああ!」
「うわっ――!!」
背中にものすごい衝撃を感じて前のめりに転びそうになる。
何とか体勢を整えて安堵の息をつき、気だるげに右肩の方に視線をやるとひょっこりと顔を出す親友と目が合い深々とため息をついた。
朔夜の右肩から顔を出しているのは彼女の親友の桐島柚梨(キリシマ ユズリ)。
ふわふわとしていて可愛らしい少女である。
この辺ではとても大きな高校で、小中高とエスカレーター式になっている。
家から徒歩十五分の距離にある高校に向かいながら、先ほどからひしひしと感じる視線に息苦しさを感じて朔夜は表情を渋くした。
先ほどから突き刺さる視線は間違いなく霞高の女子生徒の視線。
恐らく、隣に夜空がいることが原因だろう。
兄妹なのだから一緒に登校するのは致し方ないことなのだが、女子生徒の方々はどうやらそれが不満のようで……。
入学して以来、ずっと女子からの針のような視線を受け続けている。
ちらりと隣の夜空を見上げると、彼は通り過ぎる度に挨拶をする生徒たちに挨拶を返していて、自分に向けられる女子たちの視線には全く気付いていないことを物語っていた。
ぐさぐさと突き刺さる女子たちの視線に耐えていると、
「朔夜ああああ!」
「うわっ――!!」
背中にものすごい衝撃を感じて前のめりに転びそうになる。
何とか体勢を整えて安堵の息をつき、気だるげに右肩の方に視線をやるとひょっこりと顔を出す親友と目が合い深々とため息をついた。
朔夜の右肩から顔を出しているのは彼女の親友の桐島柚梨(キリシマ ユズリ)。
ふわふわとしていて可愛らしい少女である。