闇夜に真紅の薔薇の咲く
何故、彼女はあんなことになっている。
のろのろと歩み寄ってきた麗は、にこっと恐ろしいほどの美しい微笑を浮かべた瞬間、朔夜の胸倉を勢いよく掴んだ。
彼女は泣きそうな表情に顔を歪めると、容赦なく朔夜の身体を揺さぶる。
「何で朔夜ばっかり、イケメンにモテるのよおぉぉ……。対して可愛くもないのに!」
「ちょっ、麗。くるしっ……!」
かなり失礼な言葉が聞こえたような気がするが、それよりも酸素の確保が先だ。
苦しげに表情を歪めて胸倉をつかむ麗の手首を握ると、流石に見ていられなくなったのだろう。
今まで傍観に徹していた者たちが慌てたように止めに入る。……ノアールを除いて。
「朝比奈さんっ! 落ち着いて!」
「いい加減にしないと、朔夜ちゃんが死ぬって! 麗ちゃん!」
「麗! 朔夜だって十分可愛いよっ!」
どこかずれた説得をしている柚梨に、必死になって麗を抑えようとする斗也とルイ。
美系二人に囲まれたせいだろうか。正気に戻った彼女は、慌てたように手を離すと口元を押さえる。
「あ、ご、ごめっ……! 大丈夫!?」
のろのろと歩み寄ってきた麗は、にこっと恐ろしいほどの美しい微笑を浮かべた瞬間、朔夜の胸倉を勢いよく掴んだ。
彼女は泣きそうな表情に顔を歪めると、容赦なく朔夜の身体を揺さぶる。
「何で朔夜ばっかり、イケメンにモテるのよおぉぉ……。対して可愛くもないのに!」
「ちょっ、麗。くるしっ……!」
かなり失礼な言葉が聞こえたような気がするが、それよりも酸素の確保が先だ。
苦しげに表情を歪めて胸倉をつかむ麗の手首を握ると、流石に見ていられなくなったのだろう。
今まで傍観に徹していた者たちが慌てたように止めに入る。……ノアールを除いて。
「朝比奈さんっ! 落ち着いて!」
「いい加減にしないと、朔夜ちゃんが死ぬって! 麗ちゃん!」
「麗! 朔夜だって十分可愛いよっ!」
どこかずれた説得をしている柚梨に、必死になって麗を抑えようとする斗也とルイ。
美系二人に囲まれたせいだろうか。正気に戻った彼女は、慌てたように手を離すと口元を押さえる。
「あ、ご、ごめっ……! 大丈夫!?」