キミのとなり
すると、佐倉遠馬は私の体を壁に押し付けた。
手首も佐倉遠馬に捕まれていて
もう、逃げられない。
「なんでそんなに気になるん?」
「そ、そりゃ気…「もしかして俺のこと好きなん?」
佐倉遠馬は私の言葉を遮り、とんでもないことを言い出した。
「す、好き!?」
「図星?ん〜…。ホッシーなら付き合ってやってもいいねんけど?」
いやいやいや、困るんだけど!!
「好きじゃないし!」
「嘘つかんでええよ。俺、ホッシーが俺のこと好きって知ってたねんもん」
好きでわありません!!
「好きじゃない。付き合わないし。かってな妄想しないでくれる?じゃあ」
私は力ずくで佐倉遠馬の手を振りほどいた。
扉に手をかけて、出ようとしたとき
「おもしれぇ。上等や」
と佐倉遠馬は言った。
扉を勢いよく閉め、階段を一気に駆け降りた。
なんなのあいつ!?
被害妄想激しすぎるでしょ!
でもなんであのとき、泣いてたの?