キミのとなり

熱い想い *遠馬 side*



じいやと屋上を出た。

ホッシーありがとな。

なんだろうなこの気持ち…もう二度と恋はせぇーへん決めたのに。

恋はしないって決めたの最近やけどな。


――1年前――

中1の春。

「〇〇中学校に転校しました。佐倉遠馬です。」

その頃の俺は…まぁそんなにチャラチャラしてへんかったな。


まぁ女子には騒がれたよ?あり前や。


「後ろの席に座りなさい」

「わかりました」


後ろの席でよかったわ〜。
俺の隣の席、二津嶋 晴(フツシマ ハル)は俺によく話しかけてくれた。相談にのってくれた。

人生で一番親しかったかもしれへん。

そして、俺の初恋。


「俺、佐倉家継ぎたくあらへん」

「あかんで遠馬。遠馬は継がなあかんねんで。大金持ちになるねんで。」

「別にお金なんていらへん」

当時俺は晴と付き合っていた。

よく屋上で話していた。

「あかんで!!遠馬!遠馬が金持ちになってくれなあかん!!ウチが困るんよ!!」

「それ…どーユーこと?」

俺が金持ちにならないと晴が困る?

なにに困るんだよ。

晴は口をパクパクさせて、ヤバい!!口が滑ってしまった!!って顔をしていた。

可愛い顔が不細工だな。
晴が言いたいことはよくわかったよ。




…お前は金目当てだったんだな。



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