キミのとなり


昔のことを思い出していたらいつの間にか、車の前にいた。


車に乗ろうとしたとき…


「佐倉ぁあ!!!!!」


振り向くと、スカートがめくれているのにも関わらず全速力で走ってくるホッシーがいた。


「ホッシー!?」


「はぁ…はぁ…。間に合った…」

「どーしたん…?そんな急いで…」

「タキシード男に用があって…」


さっきからタキシード男って…じいやのことか。

じいやは俺の執事。

すると、車からじいやが降りてきた。


「なんのようですか?しつこいですよ」

「タキシード男!!いや、執事さん!!お願いがあります。」


ホッシーどないしたんやろいきなりじいやに話があるってなんや?


「佐倉を転校させないでください!」

ホッシーは頭を深く下げた。


え?ホッシー…?


「それは無理ですね。お父様が決めたことですから」

「お父様、お父様って、佐倉はお父様の言いなりなんですか?操られてるんですか?佐倉の気持ちもわからないんですか!?」


ホッシー?
なんでそんなこと…


「執事さんやお父様は知らないかもしれませんが、佐倉一人で苦しんでるんですよ!?私がたまたま屋上に行ったときも泣いてました。知ってましたか!?」


ホッシー…
お前には見られてたんやな…
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