キミのとなり
「ホッシー、もうええで。ありがとな」
「で、でも…佐倉が…」
俺はホッシーに微笑んだ。
俺は決心したよ。
「さぁ、お坊っちゃま、行きましょう」
俺はホッシーに優しく微笑んだあと、車に乗り込んだ。
「じゃあな、ホッシー。大丈夫やで、心配せんでええよ」
ホッシーは泣きそうになりながら頷いた。
「じいや、車だして」
「わかりました」
ホッシーに手をふったあと、じいやに話しかけた。
「じいや、俺転校せぇへんで」
「お坊っちゃま…。あのお嬢様と関係があるのですか?」
「ん〜…。それもあるんやけど俺はこの学校が好きなんや。お父さんが何て言おうと独りになってもここにいたいんよ」
俺は決めたんだ。
お父さんが何て言おうと、誰が何て言おうと、
俺はこの学校から転校しないってな。
それと、もうひとつ。
俺はホッシーが好きや。
初めて、こんなに好きになったんや。
ホッシーは晴とは違う。
ホッシーは俺を助けようとしてくれた。
その優しさに惚れたんや。
近堂にだって、誰にだって負けはせーへん。