キミのとなり
木に囲まれている一本道まできた。
前は桜で満開だった木も、夏が近づいているせいか、葉が緑になっていた。
そして、一本道のど真ん中に、エミが座り込んでいた。
「エミ!!」
俺がさけんでも
振り向いてくれない。
ただ震えて座り込んでいるだけ。
そして、俺は見た。
木の影に隠れている人影を。
あいつは…!!
俺は、エミの目の前まで行き、抱き寄せた。
エミはビックリしていたが、そんなの関係なかった。
俺はエミをかばうように、お姫様だっこをして、いつでも逃げれるような体制にした。