キミのとなり
すると、草壁はポケットからナイフをだした。
俺はビックリしただけだが、エミは顔が青くなった。
「ヒロ!!おろして!!」
俺はあまりにもエミがじたばたするから、おろしてやった。
「草壁さん!!やめて!!もうやめて!!」
「ごめん…星野さん…。やめられないよ…。だってそいつがいたら、僕たちの邪魔してきちゃうでしょ…?」
エミは、草壁の方へ走っていた。
「エミ!!」
叫んだが、エミは止まろうとしない。
そして、俺と、草壁の距離の真ん中ぐらいまでいくとやっと止まった。
「やめて!!ヒロを刺すなら私を刺しなさい!!ヒロには指一本触れさせないよ!!」
あぁ…そうだ…。
いつもお前は俺を守ろうとする。
自分を犠牲にしてまで。
なんで、俺のためにそこまですんだよ。
「なんだとぉ…!?僕より、そいつが大事か!?」
そして、ナイフはエミに向けられる。
「……っさせるかよっ…!!」