キミのとなり


そして、あっという間に日にちは過ぎて、夏祭り当日になってしまった。


「お母さん!浴衣ってどうやって着るの!?」

浴衣の着方が全然わからなくて、結局お母さんに着せてもらった。

「ありがとう、お母さん」

それから身支度を済ませ家を出た。


集合場所につくとすでに皆は揃っていた。

「遅れてごめん!」

「大丈夫やで。ほな、屋台食い漁ったろか」

「「「「「おぉ〜!!」」」」」

そして、いろいろな屋台を回って、お腹一杯になってきた頃、金魚すくいに挑戦していた。

「あれ?一匹も捕まえられないよ〜!!」

「エミちゃん、一匹も釣れておらんの?廣満の得意分野やで、廣満にやってもらったらどうなん?」

「で、でも…」

ヒロをちらっと見ると、不機嫌そうに私を見ていた。
ヒロの表情が怖くて目をそらしてしまった。

すると、ヒロは私が持っていた金魚すくいの網を取って金魚をすくってくれた。
「あ、ありがとう…」

「…ん」


全部で金魚は3匹。

私はたまらなく嬉しかった。
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