キミのとなり


授業が終わって、10分休み。


「エミ〜、図書館行かね?返したい本あるんだけど」
「あっ、ヒロ。私も返したい本あるの!行く」

私は席を立った。


「なぁ、星野さんと近堂?さんて、付き合ってるん?」

「…別に付き合ってないけどなにか…?」

「いや、なにもあらへんで〜」


私は「あっそ」と言って、ヒロと教室を出た。


「エミ、大丈夫か?」

「何が?」

「いや、佐倉ってやつになんかされてないか?」

「なにもないよ。…ふふ。心配ありがとっ。」

「なんだよ。笑うなよ!心配してやったのに…」


ヒロはそう言って、すねたようにそっぽを向いた。


ふふ、可愛っ。


……ん?
可愛い?今、私、何て言ったー!?


それから図書館により、本を返したあと教室に戻った。


それから授業中、佐倉遠馬は何回も話しかけてくる。

なんなのさ!


そして、昼休み。

「ホッシー!!校内案内してや〜」


仕方ない…先生に言われたからには案内しないと…。

てか、ホッシーって!!


「ホッシーってなんですか」
「星野さんのあだな。ホッシー」



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