bitter chocolate love.

「どうしたの?」

あたしは上から声をかけられたから、

涙もふかずに、顔をあげた。

するとそこには、背の高い男の人だった。

「え、…っ……」

「迷子?」

「……たぶん…」

たぶん、なんかじゃない。

絶対に迷子。

だけど、なんでだかわかんないけど、

“迷子”っていう単語がどうしても子供っぽくて、

あなたに子供って思われたくなかった。

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