bitter chocolate love.

「あ、えっと…」

「早くしないと日暮れる」

そう言って、あなたは強引にあたしをあなたの背中にのせた。

「よいしょっと」

そんなかけ声とともに、あなたは立ち上がった。

あたしはいつのまにか、涙も震えも足首の痛みさえ、

なくなっていた。

ただ、目の前にいる、あなたに夢中だった。

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