†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
でもさ。
これだけじゃ、足りねぇよ。
「なあ澪。俺、優勝したよ?」
「う、うん。おめでとう!」
「優勝、したんだけど?」
「う、うん……?」
やっぱりこれだけじゃ、俺が何を言いた
いのか伝わらねーか……。
だから俺は、澪の頬に触れながら、ちょ
っと口角を上げてみせた。
「ご褒美、ねぇの?」
そう言うと、何度か目をパチパチと瞬き
させる澪。
それから、コテン、と首を傾げた。
「……ご褒美?」
「そ、優勝した俺へのご褒美」
「何が欲しいの?あんまり高いものは、
あげられないかも……」
申し訳なさそうにそう言う澪に、微笑む
。