†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
◇◇◇
「──え?今、何て?」
目の前の律希は、信じられない、というような顔をしていて。
恐らく俺とのデートのために、精一杯お洒落してきたんだろうその格好をみて、ごめんな、と小さく心の中で謝った。
折角ウキウキで来てくれたのに、俺はそんな君に意地悪な嘘をついたから。
だって今日は、四月一日。エイプリルフールだし。
このために、デートの約束を漕ぎ着けたといってもあながち間違いでもないし。
「……だから、別れようって」
ポケットに両手を突っ込んで、小首を傾げてもう一度そう言うと、律希が大きく目を見開いて。
「なんかさ、律希全然素直じゃないし、正直疲れたんだよね。なーんちゃっ……」
なーんちゃって、全部嘘だよ。と笑おうとしたら。
「──最っ低……!!」