†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†

なになに。俺の名前つぶやきながら不機嫌になるだなんて、穏やかじゃないね。


ばちっ、と目が合った皐は、今にも舌打ちしそうな勢いだ。


「なんで杏子が、吉馬の電話番号知りたがるわけ」

「え？なになに、俺の電話番号知りたいなら全然すぐ教えるよ？」

「吉馬は黙ってろ」


す、と皐のスマホの近くでそういうと、じろり、と睨み付けられて。


苦笑いする俺に、『えっ！吉馬さん！？そこにいるの！？』と声が聞こえてきた。


いるよー、とのんきに答える俺に、はあ、と皐が深いため息をつく。


それから、ん、と俺の方にスマホを差し出してきた。


あ、代わってくれるのね。


「もしもし？杏子ちゃん？」

『吉馬さん……！嘘、ですよね！？』