†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
馬鹿馬鹿しい、って、律希は言うかもしれない。
「今日別れるって嘘ついたら、一年間は絶対別れないって。そんな願掛けしてたんだ……女々しいけど、そうまでしても、律希といたいから」
俺には、律希だけだから。
そう言うと、小さな声で、ばか……っ、と聞こえてきて。
『そんな嘘、つくなバカ!』
やっと聞くことのできた彼女の声は、震えていて。
好きな子泣かせるなんて本当に馬鹿だ、と思った。
「ごめん……」
『そんな嘘なんかつかなくても、私が離れるかバカ……っ!』
なにそれ。
思わず、こっちが泣きそうになったじゃん。
「皐……」
「あ?」
「杏子ちゃんの家、教えて」
そう言うと、皐は少し笑って。
「もううちの彼女に迷惑かけるなよ」
と言った。
ごめん。ごめんね、律希。
今から会いにいくから、そしたら、力いっぱい抱き締めて、そして耳元でこう言おう。
愛してるよ、って。
Fin.