†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†

遠慮しなくていいよ、と笑う皐君。

でも、目がちっとも笑ってない。


「……っ、り、律希ちゃんにエイプリルフールの話したら、嫌いって嘘ついてみなよって……！」

「笹野が？」

「そしたら皐君の面白い顔が見れるっていうから……」


ちょっと気になっちゃって、ごめんね？と涙目で見上げると、はあ、と皐君がため息をついて。


それから、そっぽを向きながら私の頭をぐしゃりと撫でた。


「……そういう顔、禁止」

「へ？」


そういう顔って、どんな顔？


きょとんとする私に、これだから天然は、と皐君は呟いてそれから、またあのにっこりとした微笑みを浮かべて私を見た。


「──でも、いくら笹野から言われたとはいえ、俺に嫌いだなんて嘘をついたお仕置きは必要だな」


ぞわ、と背筋が凍る。


お仕置きだなんて物騒な単語なのに、何で目の前の彼はこんなにも楽しそうなのか。


わ、私、これからどうなるの……！？