†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
「……嫌い、なんて。嘘でも許さない」
皐君はボソッとそう呟くと、私の腕をグイッと、引っ張り出して。
──やがて連れていかれたのは、皐君の家だった。
「今日、家に誰もいないから挨拶とかしなくていいよ」
皐君はそう言うと、私の腕を掴んだまま、二階にある皐君の部屋に向かった。
「さっ、皐君……?きゃ……!」
皐君の様子がいつもと違うから、恐る恐る名前を呼べば、返事はなくて。
代わりに、ふわりと体が浮いて、お姫様だっこされたかと思えば、そのまま皐君のベッドに降ろされた。
「杏子。俺の事、すき?」
私の上に馬乗りになって、そんなことを尋ねてくる皐君。
そんなの、答えなんて一つだけ。
「好き……だよ……っ」
そう言った瞬間、皐君の柔らかい唇が、私のそれに触れて。
「ふっ……んぅっ……!」
固く引き結んだ私の唇をこじ開けるような激しいキスに、応えるのが精一杯で、何も考えられなくなって。
思わずぎゅう、と首に手を回して抱き着くと、皐君も抱き締め返してくれた。
「可愛い、杏子……」