†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†
「委員長、放課後」
香坂はそう言うと、ポケットから取り出
した、銀色の鍵を私の目の前でちらつか
せた。
それだけで、ドキドキと胸が異常なくら
い高鳴る私は、可笑しいのかな……。
これは、私と香坂だけの合図。
秘密の、合言葉。
「希美ー、帰りにクレープ食べに行かな
い?」
放課後。
鞄の中に教材を詰め込んでいると、萌が
クレープ割引券をピラピラさせて、そう
聞いてきた。
「……あー、ごめん。今日は遠慮する」
「そう?用事あるの?」
「ちょっとね」